うつ病患者が専業ライターになってみて、3ヶ月が経ちました。

こんにちは、フリーライターのひがしみすず(@misuzu_higashi)です。

e-Taxにブチギレながら確定申告も終わり、ほっと一息ついて思いました。

「フリーライターです」と名乗り始めて5年も経つのだなと。
そして、その割に残した実績があまりに少ないな、と。

私は2015年に患ったうつ病を悪化させ、新卒で勤めていた会社をすぐ辞めてしまいました。それから長い期間フリーライターとアルバイトを並行していました。
本当はフリーライターだけやっていたかったのですが、私のうつ病はなかなかにしぶとく、睡眠障害(過眠・概日リズム障害)・気分の落ち込み・意欲低下・止まらない自傷行為・易疲労性等働くのに向いてない人間詰め込みパックみたいなものがインストールされてしまっているようで、フリーライターだけでは生活に必要な収入を得ることができませんでした。気分の落ち込んでいる日はもちろん、比較的元気な日ですら長い時間PCに向かうことはできず、すぐに疲れて半日以上眠ってしまっていました。
ですので仕方なくアルバイトをしていましたし、そのアルバイトすら遅刻常習犯で休み休みになってしまい、社員さんには何度も頭を下げていました。何もかもに歯がゆい思いをしていました。

新型コロナウイルス流行で変わった価値観

それでも、2020年に新型コロナウイルスが流行し始めるまではその状況をとりあえず続けて、「週に3~4日のアルバイトを遅刻しない、休まない」という生活リズムを作ろう、フリーライターの仕事はその後頑張ってやろう、という方針でいました。
ところが、私の働いていたアルバイト先は新型コロナウイルスのダメージを真っ先に喰らい、完全成功報酬だった私の収入はガクッと下がりました。

収入が下がった、というより、同じ収入を確保するのに非常に労力が必要になってしまった、という方が正しいでしょう。以前は週3日働けばとりあえずの収入が得られたのに、無理して週5日働かないと以前の週3日分にも満たない収入しか得られない、そんな状況になってしまいました。
生活のためにどうしても必要なアルバイトに時間や脳内リソースが取られてしまい、ライターとしては何もできず、月末締めで出す請求書の金額が0円になる月もありました。苦しくてたまりませんでした。

うつ病もみるみる悪化し、ライティングのような頭を使う仕事はほとんどできなくなってしまいました。でもアルバイトに行ってもお金は稼げないし、一念発起して違うことをやる体力もありませんでした。そして過眠の症状が酷い私には1日のうちに起きている時間が8~12時間ほどしかなく、アルバイトと身の回りの最低限のことをやっていると1日は終わってしまう、そんな状況でした。生活費でいっぱいいっぱいで、事業資金が貯まらないのでアルバイトを辞めることもできませんでした。

アルバイト以外の時間はずっと自宅のベッドでぼーっとしたり、泣いたりしていました。精神科には週1回通い薬の調整を繰り返し、自分でも生活リズムを直す努力はしていたのですが、その努力すら私には負担なようで、ぐるぐると悪循環が起こっていました。

だけど、新型コロナウイルスがしばらくは収束しないだろうという見通しを立て、ない頭を回転させて精一杯考えた結果、どうせお金を稼ぐのに苦しい思いをするなら私はやりがいのあるライターをやりたい、という結論になりました。アルバイトを辞める時期を2020年の年末と決め、周囲にもそう伝えました。幸い新しい薬が効いてくれたり、生活資金の援助を申し出てくれる人が現れたりして、実際にアルバイトを辞める時期は1ヶ月前倒しすることができました。

相談に乗ってくださった方、援助を申し出てくださった方には感謝してもしきれません。

本当に、本当にありがとうございます。

個人事業主向けの緊急小口資金も持続化給付金もしっかり申請して、行政にも助けていただきました。それでも生活が成り立たないくらい追い詰められていたので、本当に2020年は大変だったんですよね……。

アルバイトを辞めたら元気になれると思っていた

ここで大誤算が起こりました。アルバイトを辞めたら私は元気になってフリーライターの仕事をもりもりやれると思っていたのに、全く元気になれなかったのです。アルバイトは貴重な収入源でありながら多大なるストレス源でもありました。ほら、適応障害のようなものを起こしているならそのストレス源から離れることが大切!ってよく言いますよね?それが全く適用されなかったのです。

私はひたすらに眠り続けました。最初の1週間は資金援助をしてくれた方に「休みなさい」と言われていたのでそれに従い休んでいましたが、1週間経って「よし、ライター頑張ろう」と思っても、なんとびっくり体も頭も全く動きません。PCの前にどうしても座れない。座ろうとするだけで1日が終わってしまう。そんな自分に落ち込んでもともとどん底までなくなっていた自信を更になくす日々が年末まで約1ヶ月ほど続きました。いやあ、本当に衝撃的でした。

どうやら新型コロナ禍でのアルバイト兼フリーライター(ほぼフリーター)生活は自分の想像以上に私の心身に重たくのしかかっていたらしく、蓄積されていたダメージがどっと出たようでした。受け入れたくなくても事実としてそれを受け入れざるを得ず、私はこんこんと眠り続けました。

結論:ダメージは蓄積する。土台がうつ病なので多分元気な人より蓄積してる。一旦諦めて休め。

いざ、専業ライターになってみたら

2021年になり、過眠傾向はあるものの生活リズムが以前よりかは改善されてきました。
なんとなく「早起きとは言えないけどまぁ昼頃には起きて、夜ふかししすぎず寝る」くらいのリズムができてきました。今でもたまに崩れますが。

そして、蓄積された心身のダメージもさすがに少しずつ癒えてきたのか、取引先に「専業ライターになったから仕事がしたい!」と意思表明もできるようになりました。すると、意外な結果が……

連載を持ちませんか?

あっと言う間に仕事が舞い込んできました。ぜひ連載を持ってほしい、どんどん会議に上げるのでたくさん企画を持ち込んでほしいと言っていただけました。むしろ頼みたいことがありすぎるのだがどれくらいなら頼んでいいのか?と聞き返されてしまいました。

まずは私のキャパシティの中でできることをしていますが、アルバイトに時間を割くことがなくなったので特急案件にも対応できるようになり、それにお礼を言われたりすると心がほんのりあたたかくなります。今までとは違うゴールを持ったライティングもご依頼いただけることになり、考える幅、仕事の幅も広がりました。

俺がやってる仕事を手伝ってくれない?

もう1つ仕事も増えました。厳密にはTHE・ライティングではない案件ですが、書く仕事ではあります。なんと、取引先の社長の仕事を外部の人間であり業務委託の私に一部引き継いでほしいという依頼をいただきました……!
自分の考えだけではなく新しいやり方を導入してみたい、最終的には自分の手から離して(私や他の人間に任せ)やっていきたいと。担当者抜きで社長と2人でzoomミーティングを行い、将来的には企画会議等にも参加してほしいと言っていただけました。
まあ、この取引先の社長=私を新卒で採用した社長なんですけどね。一度採用した人間だから内部事情が分かっていたり話しやすい、人柄が分かっている、というのもあるのですけど、あとはだと思います。面接したのは2014年の夏だというのに、いまだに可愛がってくれているんです。

仕事自体は実際に稼働を始め、数字は出たり出なかったりで試行錯誤の真っ最中です。触れていなかった分野なので私も新たな知見を得ることができ、ああ仕事って楽しかったんだ、こんなにいいものなんだと思えています。大げさかもしれませんが、今はまだ苦しいけど幸せです

みんなそうやってずっと思っているんだよ

お察しの通り、(実際は他にもいますが、上記で示している)取引先≒新卒入社して即辞めた会社です。フリーライターとして独立を勧めてくれたのも元上司たちで、わたしが何度オフィスで予定したミーティングを眠ってすっぽかそうと、鬱がひどすぎて締切を破ろうと、ずっと「お前の文章は良いからな~」と私と取引をやめないでいてくれた大切な私の主要取引先です(すみませんでした)。

先日オフィスにミーティングと荷物を取りに伺った際に、とても久しぶりにお会いすることができた元上司を発見しました。嬉しくて声をかけました。

「先日社長とzoomミーティングをしたんです!そうしたらゆくゆくは内部の方々と同じ会議にも参加してほしいと言っていただけました!」と報告すると、元上司は微笑みながら「みんなそうやってずっと思っているんだよ」と言ってくれました。ようやくここまできたか、という安堵の表情と、俺らの気持ち分かってなかったの?とほんの少しおちょくるような表情が混じった笑顔でした。本人の前では我慢しましたが、泣きました。

余談:低用量ピルが飲めるようになった

余談ですが、私はPMSと生理痛がめちゃくちゃ酷かったんですよね。周期は比較的安定しているのですが、生理前になると過眠がより一層ひどくなりなんとなく調子も悪くなり、生理が始まると1~2日目に大量出血をして寝込んでしまっていました。
低用量ピルを飲んだら?と友人に勧められたことが何度もあったのですが、とにかく最大の悩みが睡眠障害だった私は○時なら起きているという保証がないから飲めないと低用量ピルの服用を諦めていました。

アルバイトを辞めて専業ライターになり、年も明けて生活リズムが徐々に安定してきてからはヤーズフレックスという低用量ピルを21時固定で飲み始め、現在2ヶ月目に突入しています(残念ながらPMSにはあまり効果がありませんでしたが、生理痛が皆無になりましたし、出血量も減りました。感動したなぁ……)。定時に飲む薬を続けて飲むことができているというのは大きな自信になっています。

男性の方やピルを検討したことのない女性はあまり知らないかもしれませんが、ピルは毎日○時に1錠飲む、という薬なんですよね。重い睡眠障害を持っていた私にとっては雲の上の存在のような薬でした。

まだ、自分は元気じゃない。という自覚を持ちながら

私は服薬習慣のない方が見たらギョッとするような量の精神科の薬を飲んでいますし、それでも睡眠障害や意欲低下、虚無感や止まらない自傷行為にはいまだに悩まされています。死にたい、って思う日とそこまでじゃないかなという日が半々くらいです。PCの前に座るのはまだキツいです。

今もぶっちゃけブログを書いていてキツいですし、3回くらい「ぐえ~~~~」って言いながら白目むいてました。

それでもフリーライター+αとして、これからたくさんの方々の想いを無駄にしないようにお仕事を頑張っていきたいと思っています。やりがいのある仕事は素敵なものです。私のやりたい仕事は、これでお金を稼いで生活したいという仕事は、今手の中にあります。

先週は最低限の仕事しかできませんでした。ミスもしました。そんな週、これからもあるでしょう。
でも、そんなことにいちいち凹んでいては前へ進むことはできません。これからどうするか、どうやったらできるのかを考えることが大切ですし、相談したら協力してくれる人は自分が思っているよりもたくさんいます。

今日もこのあと執筆活動をします。でも、その前にちゃんと休憩もとります。

まだ、自分は元気なんかじゃないという自覚を持ちながら、無理しすぎず。

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ABOUT US

ひがしみすず
フリーライター(28歳・女性)。自称日本一意識低い政治ライターとして選挙ドットコムを中心に執筆活動中。競馬とガンバ大阪が好き。学生時代は理系。